フォールの出し方3STEPとキレイに聴かせるコツを紹介

フォールの出し方

『ビブラート』や『しゃくり』と並んで、カラオケの採点にも出てくる『フォール』。ボイストレーニングを習う人からも「これってなんですか?」って質問を受けることもよくあります。

そこで今回はフォールについて、具体的な出し方まで説明していきます。

目次

フォールとは

フォールとは一言で言えば、音を切らずに繋げたまま音程を下げるテクニックです。

フォールの説明

ボーカルの重要なテクニックの一つに『ポルタメント』というものがあります。これは音を切らさずに音程を上下させることです。

ポルタメントの説明

フォールはこのポルタメントを利用して、出した音を下げることをいいます。

フォールを聴いてみよう

フォールは歌の語尾で使うことが多いテクニックなので、実際に聴いてみると分かりやすいです。今回はYUKIの『JOY』という楽曲を紹介します。

YUKI/JOY

この楽曲は様々なところでフォールが使われています。特に、動画の1:00辺りからのサビでは、全部の語尾がフォールです。

「♪しゃくしゃく余裕で暮らしたい」の「たい」、「♪約束だって守りたい」の「たい」の部分です。音が切れることなく、滑らかに下がっていますね。

フォールのメリットとデメリット

フォールのメリット

使う楽曲やタイミングでイメージは変わりますが、フォールを使うと、歌が喋りかけてるように聴こえます。なので良いラフさが出たり、歌の印象を柔らかくすることができます。

フォールのデメリット

逆にフォールのデメリットは使い過ぎると、くどく聴こえることです。これは、『ビブラート』や『しゃくり』にも言えますが、テクニックは使い所で効果が大きく変わることを覚えておきましょう。

また、歌が柔らかく聴こえる反面、「ビシッ」と歌い切りたいところでフォールを使うと、楽曲に締まりがなくなってしまうことがあります。

フォールの使い所

上記でも紹介した通り、フォールは語尾で使うことが多くなります。

また、語尾というのはフレーズの最後の音なので、聴く人の印象に残ります。そのワンフレーズの表現や曲全体の印象を決める重要な部分なわけです。

ですので、歌う楽曲にラフさや緩い印象を与えたい時には、フレーズの語尾にフォールを使っていきましょう。

フォールの出し方

STEP1:ポルタメントで発声する

まずは、最初に紹介したポルタメントで発声してみましょう。適当に「あーーー」と声を出してみて、そのまま音を切らずに上下させてみてください。

単純に見えて、意外と難しく感じるかもしれません。

私がボイストレーニングを教えてきた人の中では、音を上げるよりも下げる部分が上手く繋がらない人が多かったです。フォールはこの音を下げる時のポルタメントが必要になります。まずは音が切れないようしっかり練習しましょう。

STEP2:ワンフレーズの語尾をポルタメントで下げる

フォールは実際の歌で覚えてしまうのが一番早いし、自然に身につきます。

あなたの好きな歌のワンフレーズを選んでポルタメントで語尾を下げてみましょう。今回は先ほど紹介したYUKIの『JOY』という曲を例に挙げてみます。

YUKI/JOY


動画の1:04辺りからのサビ「♪しゃくしゃく余裕で暮らしたい」「♪約束だって守りたい」の「たい」にフォールがかかっています。

この部分をSTEP1で練習したポルタメントを使って、語尾の音を切らさずに下げてみましょう。楽曲自体に慣れていないと難しいかと思いますので、本人の歌い方をよく聴いてチャレンジしてみてください。

STEP3:息を混ぜてフェードアウトさせる

STEP2まででフォール自体は完成ですが、最後にもう一段、ステップアップです。ポルタメントで下げるだけだと、語尾にぎこちなさが残ります。そこでフォールさせる時に、息を混ぜます。

イメージとしては、ため息をつくようにフォールをしてみてください。そうすることで、語尾がフェードアウトして自然な印象を与えられます。

ちなみに、この『歌の語尾でため息をつく』テクニックのことを『Sigh』と言います。

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始めはコツがいりますが、フォールしている部分をよく聴いて練習しましょう。

まとめ

フォールを出すこと自体はそんなに難しいテクニックではありません。なので、出し方を覚えたら『フォールさせた時の音の変化を、違和感なくどこまで自然に見せられるか』のクオリティを意識しましょう。

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この記事を書いた人

吉祥寺・渋谷・調布のボイストレーニングスタジオチップルの教室情報や、読むだけで歌が上達するための知識など発信していきます。

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