1日5分でOK!舌筋トレーニングで声の響きを良くする方法

舌筋トレーニングのやり方

歌が上手くなるためのコツは沢山ありますが、基礎となる筋力が付かないと思うような声は出せません。

今回は歌うためにかなり重要な筋肉、舌筋[ぜっきん]の鍛え方を紹介します。

舌筋とは

舌筋[ぜっきん]とは、舌が動くための筋肉たちの総称です。首にも舌骨筋[ぜっこつきん]と呼ばれる舌の動きにとても大切な筋肉たちがあります。そこを鍛えていくことがボーカルには大切です。

舌筋を鍛えるメリット

メリット1:エアーホールが大きくなるので歌声が響きやすい

エアーホールとは別名で口腔[こうくう]とも言い、口の中の空洞の広さのことです。

エアーホール(口腔)の説明

エアーホールがあることで声が共鳴して、歌声に響きが生まれます。例えるなら、トンネルの中で声が響くのと同じです。なのでエアーホールが大きく確保できれば、その分歌声の響きが良くなります。

エアーホールを大きくするには「あくび」の状態が近いのですが、あくびは舌が奥まるため声としては使いづらいんです。そのため、なるべく舌が前にある状態でエアーホールを確保する必要があります。

ただ、普段の生活では意識して舌の位置を動かさないので、舌が前にある状態を作るのが難しいんです。そこで、舌筋を鍛えることで舌の位置をコントロールしやすくなるため、エアーホールを大きく確保でき、響く声を出せるようになります。

メリット2:喉が締まらなくなる

2つめのメリットとしては、喉が締まらなくなることです。

歌を歌っていると、ついつい喉声になってしまうことがあるのではないでしょうか。喉声で歌ってしまうと、潰れた声になったり喉を痛めたりしやすいのですが、実はその原因の一つに舌筋の筋力不足があります。

試しに舌の奥をグッと上げてみてください。力が入り、喉が締まっているのを感じると思います。

このように、歌を歌っているとどうしても力が入ってしまい、舌の奥が上がり喉が締まってしまうので、喉声になりやすいんです。

舌筋を鍛えれば、エアーホールの確保と同じように、舌の位置を下げることができるので喉を締めずに歌うことができます。

メリット3:滑舌がよくなる

3つめのメリットは、滑舌がよくなることです。

試しに、舌を動かさないように話してみてください。かなり話しづらいのではないでしょうか。逆に言えば、言葉を発する時に舌を滑らかに移動させられれば、滑舌のいい話し方になります。

このように、滑舌と舌の動きは連動しているわけです。なので、舌筋を鍛えることで舌の動きもよくなり、滑舌は確実に良くなります。

舌筋を鍛えるトレーニング2つ

それでは、舌筋のトレーニングのやり方を2つ紹介します。

1:ラララで発声練習

やり方は簡単です。リラックスした状態でなるべく早く「ラララララララ」と言い続けてみてください。

すると30秒もしないうちに舌が疲れて動かなくなってきませんか?これがあなたの今の舌筋の限界です。しかし、これを繰り返すことで舌筋は鍛えられます。

「ラララ」の速度は同じにしたまま、舌が疲れずに続いた秒数を測ってみてください。これをできれば毎日続けましょう。トレーニングを続けていく中で、「ラララ」を続けられる時間が長くなればなるほど、舌筋が向上していることになります。

このトレーニングのポイントは発音を「ラ」にすること。舌が上がる時にも発声してしまうとかなり楽ですが練習になりません。上から下に向かっての「ラ」のみを発声し続けてください。

音階を出せるものがあれば、音程を高くしたり低くしたりしてトレーニングを行ってください。なければ高めの声や低めの声など、アバウトで良いので音程を変えながらどの音程でもできるようになりましょう!

2:かえるのうたで舌筋強化

2つめは、誰もが歌ったことのある童謡『かえるのうた』を使ってトレーニングしていきます。

STEP1:アッカンベーの状態をつくる

まず舌を一番下まで出し、アッカンベーの状態をつくります。

その状態のまま「エ」と言ってみてください。次に「オ」と言ってみてください。すると、舌がグッと引っ込むと思います。これを実感したら次に進みましょう。

STEP2:アッカンベーで『かえるのうた』を歌う

STEP1でやった、アッカンベーの状態のまま「エ」と「オ」の音だけでカエルの歌を歌います。

「♪かえるのうたが〜」を一音ずつ変えて、「♪エオエオエオエ〜」で歌ってみてください。慣れないうちはゆっくりで大丈夫です。ただ、それでもかなり舌筋がきついと思います。

「エ」と「オ」を繰り返すことで、舌を上下に動かし続けるため舌筋を強化することができます。なれたら少しずつスピードを早くしていきましょう!

このトレーニングのポイントは、あまり口を開け過ぎると顎を痛めてしまう可能性があることです。口は無理に開けすぎず気をつけて行ってください。

1日5分くらいで十分

トレーニングはやっただけ良いと思うかもしれませんが、実は舌筋や舌骨筋の中には「無痛神経」が通ってる筋肉が含まれています。文字通り、痛みを感じず筋肉痛にならない筋肉です。

この筋肉が限界を迎えるとただ動かなくなります。それでも動かそうとすると、身体が違う筋肉で補ったり、喉を締めて発声してしまい返って良くありません。なのでこのトレーニングは1日に5分もやれば十分です。

まとめ

このボイストレーニングはとっても簡単なトレーニングですのですぐ始められます。シンプルではありますが、ボーカルに必要な様々なことに活かせるので、是非トライしてみてください。